保育士として経験を積む上でひとつの試練である「保育リーダー」という役割があります。保育リーダーはとてもやりがいがある反面悩みのタネになることも。
- 保育リーダーの日はどっと疲れる
- 保育士としてリーダーには向いてない
- プレッシャーに潰されそう
こんな風に悩んでいる人も多いですよね。私も慣れるまで保育リーダーの日は憂鬱でした…
保育士が「リーダー向いてない…」と感じる時
保育リーダーをしたことがある保育士に「リーダーに向いてない」と思った出来事を聞いてみました。
- 合同保育になったり雨が降ってきた時など、急な変更に上手く対応できない
- 保育リーダーの週はいつもの何倍も疲れる
- 保育のアドリブが効かない
- 人前に立つことも、指示を出すことも苦手
- 自分の保育に自信がない
- 見られているとプレッシャーに感じて上手くできない
- 広い視野が持てない
- すぐにテンパってしまってパニクる
- 子どもが全く言うことを聞いてくれない
- 週案日案振り返り、とにかく書類を書くのが苦手
- 設定保育の引き出しが少なくて設定保育を考えるのにすごく時間がかかる
- 子どもたちを惹きつけられない
どれも共感できるものばかりですね…
保育リーダーに向いてないと感じる原因
保育リーダーに向いていないと感じる出来事はたくさんありますが、ではどうしてこういったことが起こるのでしょうか。
経験不足
保育士として、リーダーとしての経験不足が原因です。経験や知識が少ないと日案を考えるだけでも時間がかかり、急な事態に上手く対応することもできません。これは失敗や経験を重ねることで少しずつ上手く出来るようになるので「成長中」だと思って乗り越えましょう。
性格
人前に立つのが苦手だったりリーダーシップを取るのが苦手なタイプの保育士はリーダー役にどうしても苦手意識が出てしまいます。これは仕方のないことです。簡単に性格を変えることは出来ないので経験を積んで自信をつけて性格を補うのが得策です。
「苦手だ苦手だ」と思っていると余計に苦手意識が植え付けられてしまいます。仕事中だけ「リーダー」の役柄になりきって演じている気持ちでやると上手くいったりしますよ♪
子どもとの信頼関係
これは先輩保育士とペアを組んでいたり、補助の先生が年上のベテランの場合に起こることなのですが、子どもがどの先生が主導権を握っているかを理解しその先生の言うことしか聞かないことがあります。
普段サブだけをしていて突然リーダーをすると子どもは浮ついて全然言うことを聞いてくれず、保育が上手く回らなくなってしまうことはよくあることです。
保育リーダーを何度かしているうちに子どもとの信頼関係も出来てくるので気にし過ぎないのが一番です。
他の保育士との関係
サブの先生や補助の先生との関係が悪いととてもやりにくくなります。保育に口出しされたりきちんとサポートをしてもらえなかったり。
冷たい目で見られていると自信を失って上手く保育できなくなってしまいますよね。
職場環境
保育に厳しい園では主任や園長が厳しく監視していて、日案や週案、実際の保育に対し細かに注意をされることがあります。また、逆に人手不足でいきなり保育リーダーを任されてしまいクラスのことや状況がわからず上手くクラスを回せないこともあります。
パートなのに保育リーダーを任された人もちらほらいるようです…
対処法
完璧を求め過ぎない
保育士はリーダーをすることがひとつの目標であることも多いと思います。そしてリーダーになれたらつい完璧を目指してしまいがちです。
はじめはアドバイスをもらったり注意を受けたりしながら成長していくものです。
無理のないスケジュール
周りの目が気になったり、不安からついあれもこれも組み込みたくなってしまいますが、慣れるまではとにかく無理のないスケジュールを組むことです。保育士に余裕がないと子どもにも伝わってしまいます。メインを決めたら、あとはその場の状況に応じて追加したり省いたり出来るようなスケジュールにしておきましょう。
普段から保育の引き出しをたくさん用意しておく
保育の引き出しの多さは非常に重要です。子どもの行動を見てすぐに関連する遊びを提案できれば子どもは必ず興味を持って夢中になります。
子どもが興味を持ったタイミングで関連する手遊びやお話、絵本を出せれば自然と子どもの集中力は高くなり保育がしやすくなります。
自分だけの保育ノートを作りマメに保育のアイデアを書き込んでおくと便利ですよ♪
他のクラスの保育を参考にする
クラスが変われば保育も全く変わってきます。自分の知識、自分のクラスでは思いもつかないような保育をしていることがよくあります。コソッと覗いて保育案を拝借しましょう。
良い人間関係を築いておく
保育リーダーをする上で、サブや補助の先生との関係はとても重要です。協力してもらえるか邪魔をされるか…大きな違いですよね。普段から関係性をよくしておくことで自分がリーダーの時もやりやすくなります。
保育士がリーダーをするメリット
保育リーダーのメリット
経験値が上がる
サブや補助で保育に入るのと、自分で保育案を考え実施して振り返りをするのでは経験値が全く違います。保育リーダーだからと言って給与が上がることはありませんが、保育士としての経験値は格段に上がります。
転職に有利
保育士としての経験値が上がると言うことは転職に有利になると言うことです。1年で転職したとしても保育リーダーを経験していれば立派な保育士であり経験者です。自信を持ってOKですし、施設側も十分な経験があると評価してくれます。
サポートが上手くなる
保育リーダーを経験していると、サブや補助の先生にどう動いて欲しいか、何をして欲しいかがよくわかっています。今後サブや補助につく時にも良い動きができるようになります。
保育の楽しさを知れる
自分の考えた遊びや狙いが子どもたちにピタッとはまるととても達成感があります。それだけでなく長い目で見た子どもの成長や「保育とは」と言った深い部分まで実感することが出来き、保育の本当の楽しさを知ることが出来ます。
自分の力を試せる
保育士を何年していても、保育リーダーをしてみて初めて保育士としての実力がわかる部分があります。子どもと関わるだけでなく、保育案を考え準備をし、他のクラスや上の先生と連携をとり保護者対応まで責任を持つ。目の前の子どもと関わるだけではないリーダーだからこそ保育士としての力を試すことが出来ます。
保育リーダーのコツ
保育リーダーを上手にこなすには経験や知識、日々の保育の積み重ねなどたくさんの要素が必要ですが、私の経験上次の3つのことをすれば比較的早く保育リーダーをこなせるようになります。
大きな声
「え?」と思うようなことですが、これは意外と大切なことです。大きな声で話し、指示がはっきり伝わることは基本中の基本です。また、子どもたちに「今はこの人の言うことを聞かないといけないんだ」と手っ取り早く伝わるのも「大きな声」です。
指示ではなく相談
サブや補助の先生との連携を上手くとる為に、上から言うのではなく「相談」するのがオススメです。やり方の違いなどで反発されている場合も「〇〇ってこれでいいと思いますか?」と聞くことで相手も意見を言いやすくなります。
役割をはっきりと
助けて欲しいのか口出しして欲しくないのか、保育士の性格によって違います。この場面ではこうして欲しいと言う希望は事前にはっきりしておくのがオススメです。「え?どうしたらいいの?」「何がしたいの?」と思われてしまうと気持ちよくサポートをしてもらえなくなります。
最後に
経験不足や性格以外の要因で「保育リーダーが苦手」と思っている人は周りからのプレッシャーや冷たい視線がある場合があります。
温かく見守ってくれてサポートしてくれる保育士とであれば楽しく保育リーダーができる場合もあります。
保育リーダーは大変ではありますが、本来とてもやりがいがあり楽しいものですよ!
人間関係が問題だと感じる場合は転職も選択肢のひとつです。企業主導型保育園など小規模の保育園では保育リーダーの役割が回ってこない職場も存在します。自分の希望に合う職場で保育士の仕事を楽しんでくださいね。
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