保育士資格で出来る仕事の中でも療育保育士は専門性が高く、仕事内容をあまり理解されていないことも多い仕事です。
想像以上にハードな仕事である療育保育士は、精神面でも肉体面でもつらい場面が多く「転職」の二文字が頭をよぎる人も多いのではないでしょうか。
「辞めたい」って言っている人多いですよね…
そこで、この記事では療育保育の皆さんの「悩み」や「転職」について考えていきます。
療育保育士の仕事の特徴
療育保育士は、知的障がいや発達障がい、行動や情緒面での問題を抱えた子供たちを支援するために、通常の保育よりも更に多くの責任を負っています。
そのため、療育保育士の仕事にはこんな特徴があります。
個々に合わせた細やかな支援
療育保育士の仕事は、一人ひとりの子供たちが抱える問題に合わせ適切な支援を提供する必要があります。子供たちの特性や環境に合わせた支援やその家族のケアまで、細やかな対応が求められます。
「保育士」と言っても保育園の保育士とは仕事内容が大きく違いますよね。
精神的につらい部分が多い
療育では行動面精神面において不安定な子供も多い為、対応する保育士の精神的な負担が大きくなります。
子供たちが持つ問題によっては、保育士自身が辛くなってしまうことも多いため、ストレスマネジメントや心理的なサポートが必要とされますが、なかなか保育士の精神的ケアまで行き渡っている施設は少なく負担を解消できないままの保育士が多いのが現状です。
プロとは言え、毎日難しい対応や問題に直面しているとこちらまで辛くなりメンタルがやられてしまうことがあるんですよね…
保護者とのコミュニケーションが重要
療育では保護者と協力して子供の問題や課題に対処していくことが不可欠です。
保護者とのコミュニケーションがうまくいかないと子供たちへの支援に影響を与えることもある為、子供との関わりと同じくらい、保護者とのコミュニケーションは重要となります。
良い保護者の方も多いですが、問題を抱えていたり余裕がない家庭も多いので時にはそのストレスが保育士に向いてしまうこともあります…。
療育保育士が転職を考える理由と悩み
やりがいがあり重要な仕事である療養保育士ですが、療養の現場では「辞めたい」と悩む保育士が多いのが現状です。
療育保育士が転職を考える理由
精神的・肉体的な負担が大きい
療育保育士は子供たちのニーズに合わせた支援と専門性の高い知識が必要となり、通常の保育よりも多くの責任を負います。
そのため、精神的肉体的負担から辞めたいと思うようになり、転職を考えるきっかけになることがよくあります。
頭も身体もフルに使い、きめ細やかな対応も求められるプロフェッショナルなんですよね…
キャリアアップを目指したい
保育士には、保育士長や園長などの管理職や、教育コーディネーターやトレーナーなどの専門職があります。
療育施設でのキャリアアップは一般の保育職に比べると選択肢が少ない為、嫌で辞めたいのではなくキャリアアップの為に転職を考える保育士が一定数います。
仕事内容に変化が欲しい
療育保育士は、一人ひとりの子供たちに合わせた支援を提供するため、個別プログラムを作成する必要があります。
しかし、一つのプログラムに長期間携わることも多く、変化が欲しい保育士にとっては刺激に欠けると感じ辞めたい原因の一つになることがあります。
小さな成長、小さな成功体験を地道に積んでいくのが療育です。とても意義のあることですが、大きな変化が欲しくなる時もあります。
療育保育士の転職に関する悩み
専門性を活かせる職場が限られている
療育保育士は、子供たちの特殊なニーズに対応するための専門的なスキルや知識を持っています。
しかし、その専門性を活かせる職場は限られており経験を活かした転職となると選択肢が限られてしまいます。
今までと全く違うことにチャレンジするのは勇気がいりますよね。
転職すると経験年数がリセットされる
これは療育保育士に限ったことではありませんが、転職すると今までの経験年数がリセットされ、給与や待遇面で不利になることがあります。保育士は薄給の仕事なので、転職してまた1からスタートすることになると待遇面の引き下げは覚悟が必要です。
特に一般の保育園は給料が低く、職場によってはサービス残業や持ち帰り仕事も多いので注意が必要です。
一般的な職種に対する知識・経験不足
療育では経験値があったとしても一般社会での経験値はとても低いということがよくあります。
会社での電話の出かたを知らなかったり、名刺交換の作法を知らなかったり。
またエクセルやパワーポイントなど事務職で必須のスキルも低い場合が多く、保育職以外への転職はハードルを高く感じることがあります。
「自分のデスクに座って、自分のパソコンで仕事をする」そんな普通のことにも緊張しそうですよね…!
療育保育士が転職前に考えるべきこと
療育保育士が転職したいと思ったら、行動に移す前に考えておくべきことがあります。
職場の希望条件を明確にする
転職を考える場合、辞めたい一心で行動すると転職に失敗してしまいます。転職で大切なことは「自分が求める職場の条件を明確にする」ことです。
・給与
・勤務時間
・福利厚生
・キャリアアップの可能性
・職場の雰囲気
・人間関係
自分にとって重要なポイントは何なのかをしっかり把握して、それを踏まえて転職先を探すことが重要です。
「辞めたい!」という気持ちだけで転職してしまうと失敗につながります。
現職でのスキルアップに努める
せっかく続けてきた今の職場です。可能な限り今の職場でスキルを磨き、転職でプラスとなるように意識して働くことが大切です。また「辞める」と決めてからは肩の力が抜け、しんどかった仕事が少し楽にこなせるようになることもあります。
いつでも辞められると思うと伸び伸び働けたりするんですよね!
転職先の情報収集を行う
転職には精神的、経済的な負担があります。度重なる転職は自分への負担だけでなく、印象も悪くなり自分の価値を下げることにつながりかねません。
「転職=悪いこと」ではありませんが、出来れば納得のいく職場で長く働けるに越したことはありません。
・自分の理想を把握する
・スキルや経験が活かせる
・長く働く価値がある
・無理なく働ける
あなたの理想や性格、状況にあった職場をじっくり見極める必要があります。
自分でも「どうしたいのかわからない」という人も多いと思います。そんな時は転職サイトで話を聞いてもらいながら、いろんなタイプの職場を紹介してもらうといいですよ♪
将来のキャリアプランを考える
将来的なキャリアプランを考えておくことも大切です。どうしても目の前の事に意識が向いてしまいがちですが、働き出して数年すれば必ずキャリアアップや待遇面の不満が出てきます。
自分が目指すキャリアアップや方向性を考えた上で、それが叶う環境が整った転職先を探しましょう。
療育以外の保育職種や関連職種
「療育の現場は一旦離れたい」と思っている場合は、療育以外で保育士資格や今までの経験がが活かせる職場がオススメです。
保育園・幼稚園の保育士
療育で働いてきた保育士にとって、通常の保育は新鮮さと発見が多いはずです。今までの経験も活かせますし、サポートの必要な子供も増えてきているので専門的な知識を持った元療育保育士はとても歓迎されます。
学童保育の指導員
学童保育や放課後デイサービスなどで、小学生の学習支援や生活指導を担当する職種です。勉強や読書、クラブ活動、遊びなど、様々なプログラムを通じて、子どもたちの健やかな成長をサポートします。保育に比べ「見守り」の要素が強い仕事です。
学童保育の求人を専門に扱う「はじめての学童指導員」という転職サイトでは、学童指導員の資格取得をサポートしてくれる求人も扱っています!
興味がある人は相談してみるといいですよ♪
児童福祉施設の児童指導員
児童福祉施設や地域児童センターなどで、学校に通えない子どもたちや、家庭環境に問題のある子どもたちの生活支援や学習支援を担当する職種です。子どもたちが適切な環境で健やかに成長するための支援を行います。
専門性が高く需要の高まっている仕事です。子供や保護者と深く関わってきた療育保育での経験が活かせる仕事ですね!
関東なら「しんぷる保育」その他の地域なら「保育士人材バンク」で多く扱われています。
児童養護施設の児童支援員
児童相談所や児童養護施設などで、虐待やネグレクト、DVなどにより保護された子どもたちの生活支援やケアを担当する職種です。子どもたちが安心して生活できるよう、食事や入浴、学習支援、レクリエーション、カウンセリングなどを提供します。
専門的なスキルや知識を持った療育保育士は同じ療育の現場で転職する場合とても有利ですが、その他の職種や現場へ転職するとなると不安が大きくなります。
しかし、精神的にも肉体的にも負担が大きく、その中で責任ある仕事をこなしてきた経験は職種・業種関係なく評価されるので自信を持ってやりたい道へ進んで欲しいと思います。
「できる事」で転職先を探すのではなく「やりたい事」で転職先を探してくださいね!
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