2018年ごろから話題になり出した退職代行ですが、実際に利用した人はまだ少なく「どんな感じ?」と気になっている人は多いのではないでしょうか。
特に保育士の仕事は年度が関係していたり、園同士の横の繋がりがある狭い世界だということもあり退職代行を利用することで今後の転職に影響が出ないか気になっている人も多いと思います。
そこで、この記事では実際に退職代行を利用して保育園を退職し、その後無事に他の保育園への転職を成功させた桜さんの体験談をご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
▼体験談を寄せてくれた人▼
退職代行を利用した理由
まず、そもそもどうして私が退職代行を利用したのかということですが、大きく分けて3つの理由がありました。
① 辞めさせてもらえない先輩達
1つ目の理由は「引き止め」です。私が働いていた保育園は比較的離職率が高く毎年退職を希望する先生がいました。しかしどの先生も引き止め、引き伸ばしにあい何度も何度も行われる話し合いに疲弊しきっている姿を見てきました。ひどいと毎年退職の希望を伝え続けて3年も辞められずにいる先輩もいました。
もちろん強引に辞めることも出来ますが、話し合いは必須だし何度も行われる話し合いに耐える自信はありませんでした…
② 退職日までが地獄
退職の話し合いをしている最中は園長も主任も機嫌取りのように優しく接してくれますが、いざ退職が決まるとそこからは態度が急変して無視されたり嫌味を言われている姿をたくさん見てきました。
迷惑をかけないようになるべく早くに退職を伝えて、後任を確保してもらったり引き継ぎをしたいと思っていても、早く伝えると退職日までが地獄の時間になってしまいます。なので出来れば即日にでも辞めたいと思っていました。
③ 有給の消化をしたかった
有給が10日ほど残っていましたが、過去に有給を消化して退職した先生はいませんでした。というより、退職を認めてもらうのが精一杯で有給を消化したいなんて言える先生はいないのが現状でした。
でも安月給でボーナスも寸志程度、サービス残業もしていたのに有給も消化せず泣き寝入りするのは嫌でした。
他にも細かいことは色々ありましたが、大きくこの3つが理由で退職代行を使おうと決めました。
退職代行で保育士を辞めた流れ
退職代行サービスはたくさんありますが、私の周りには実際に退職代行を使って辞めた人がおらず色々不安がありました。
手探りでしたが、想像以上に簡単に退職できたので私の退職までの流れをご紹介します。
退職代行選び
退職代行の知識がほとんどなく、高額な費用がかかるイメージがありました。私の予算は頑張って8万円。有給を全部消化できれば8万円くらいになるのでこの金額までは出そうと決めていました。
しかし、実際に退職代行を調べてみると3万円以下で引き受けてくれるところがたくさんあり予算を3万円に引き下げました。
私は【TORIKESHI(トリケシ)】という退職代行を利用したのですが決め手は以下です。
① 費用が27,000円
TORIKESHI(トリケシ)は業種職種関係なく一律25,000円です。そこに組合加入費2,000円が必要で、全て合わせて27,000円で退職まで完全に代行してくれます。
追加料金もなく、もし退職出来なかった場合は返金保証もあったので費用の面で安心でした。
② 運営元が労働組合
退職代行の選び方で運営元については詳しく説明していますが、労働組合が運営しているところを選びました。
大きなトラブルは抱えていなかったので弁護士は必要なかったですが、有給の消化がしたいという交渉が必要だったので、交渉権を持っている労働組合を選びました。
③ 園から連絡が来ないようにしてくれる
とにかく嫌だったのが園長や主任と話をして罵られることでした。賛否はあると思いますが、とにかく退職について直接話がしたくない…
TORIKESHI(トリケシ)は園側に「連絡しないでください」と言ってくれ、もし連絡が来た場合も無視でOKです。TORIKESHI(トリケシ)に相談すれば対応してくれるとのことだったので安心でした。
④ LINEで完結する
それなりにメンタルがやられていたので、人とうまく話せる自信がありませんでした。そんな中で、TORIKESHI(トリケシ)はLINEで全てのやり取りが可能だったので、落ち着いて文章で伝えることができました。
「言い忘れた」「これを聞いておけばよかった」ということも24時間対応してくれる安心感も良かったです。
退職までの流れ
退職までは本当に驚くほど簡単で、何をあんなに悩んでいたのか…と後悔するほどでした。TORIKESHI(トリケシ)とのやりとりもLINEのみで数える程度、園とは一度も連絡をすることなく退職出来ました。
①② LINEで無料相談
まずはLINEで友達追加し「相談する」ボタンを押すと雇用形態を聞く質問がきました。
LINEのやり取りは自動ではなく、実際にオペレーターさんが対応しているので既読になるまで少し時間がかかりました。ものすごくドキドキして返信を待ちました…
相談せずいきなり申し込むことも可能でしたが、業務委託など雇用形態によっては引き受けてもらえない場合があるようなので、一度はLINE相談をしたほうがいいと思います。
やり取りの後申し込むまで1日空いたのですが、その間連絡が来ることはなく急かされたり強引な勧誘がなかったことで逆に信頼できました。
③ 申し込み
無料相談で問題なさそうだと分かったら申し込みをします。LINEの下部の「お支払いについて」を開くと決済方法が紹介されています。コンビニ支払い、クレジットカード支払いなど色々対応していました。
支払いを済ませ、その決済画面をLINEで送付すると申し込み完了になります。
申込書などは必要なく、支払いが事実上の申し込みとなるようです。
④ ヒアリングシート入力
支払いの連絡をして、支払いが確認できればヒアリングシートが送られてきます。園の情報などを入力して返信します。どんな細かいことでもトラブルなどあれば伝えておくといいです。
⑤ 退職書類の作成
退職するには自筆の退職願や退職届が必要です。これは退職代行は代筆できません。ただ、フォーマットは用意してくれているのでそれを元に書き込むだけでOKです。
⑥ 退職書類の郵送
⑤で用意した退職書類を郵送します。ここまでは自分でやらなければなりません。退職代行が動くためにはまず「退職が本人の意思であること」が確認できなければいけないからです。
この郵送さえすめばあとは退職代行が全て行ってくれるので園と連絡を取る必要も、出勤する必要もなくなります。
私は金曜まで普通に出勤して、土曜日に書類が到着するようにしました。そして月曜は出社せずそこからのやり取りは全てTORIKESHI(トリケシ)にお願いしました。
⑦ 退職日の決定
土曜日に書類が到着するように郵送し、その翌週月曜日の夕方TORIKESHI(トリケシ)から「退職が認められた」と連絡が来ました。
・退職日の決定
・有休消化
・今後の手続き
この辺りの説明がありました。また園がどんな対応だったかも教えてくれました。即日退職可能と書かれていましたが、あまりの早さにびっくりしました。
驚いた様子だったがすぐに話がついたこと、本人と一度話したいと言われたがお断りしましたとの報告もありました。
⑧ 提出物・返却物
返却しなければならないものや提出しなければならない書類も教えてもらったので、それは自分で郵送しました。離職票なども後から送られてきました。
これで退職は完全に完了しました。
退職代行を使った感想
退職代行を利用した一番の感想は「驚くほど簡単」ということです。
本来、自分で伝えてきちんと退職までの間に引き継ぎをしたり後任を探してもらわないといけないことは重々わかっています。
しかし話が通じない園長や退職日までの嫌がらせ、どんなやり方をしても絶対に円満退職とはいかないことを分かった上で体力や精神力を削る気になれませんでした。
私は自分を守ると決めて退職代行を利用しましたが、本当に良かったです。
揉めることもなく、積もりに積もった園に対する恨みのようなものが少し晴れた気さえしました。
利用してよかった点
精神的ダメージがない
これに尽きます。退職したいと言うと「我慢が足りない」「迷惑をかけると思わないのか」「どこに行っても続かない」など心無い言葉で攻撃された先輩たちをたくさん見てきました。どの先輩もとてもいい人たちでそんな人たちを退職に追いやったのは園側なのに…です。
私はそんな状況に耐えられる自信がありませんでした。なので、自分を守ると決めて退職代行を使うことにしました。
初めて権利を主張できた
サービス残業は当たり前、有給消化は園が指定した日が突発休に当てるだけ。それでも誰も何も言えませんでした。ですが、退職時に残っていた有給を全部消化出来たことはお金の面だけでなく、権利を主張できた感じがしてとても嬉しかったです。
味方がいる安心感
もし何か言われてもトラブルになっても守ってくれる人がいるという安心感は本当に大きかったです。普通じゃない人たちが相手なので何を言われるか何をされるのか本当に怖かったです。
第三者が私の気持ちや権利を代弁してくれることで、園側も受け入れやすかったのではないかと思います。
費用対効果
実際に支払ったのは27,000円だけで他には一切かかりませんでした。ですが、私は今回の退職代行が10万円だったとしても価値があると思えるほどのものでした。スタッフの方の対応の良さも信頼に繋がっていました。
利用して悪かった点
罪悪感
これまでの園側の対応に問題があるとはいえ、やはり急に退職したり話し合いをしなかったことは罪悪感として残りました。でも、もし自分で退職の申し出をしていたら絶対に嫌な思いをしたり心を病んでいたと思うので後悔はありません。
退職代行の良さを知ってしまった
この楽さを知ってしまったら、今後よほどいい関係での退職以外自分で伝える勇気が出るか正直不安です。「辞めたい」ってアルバイトであっても言い出しにくいですよね…
この先も人としてちゃんと義理や道徳心を持っておかなければと思っていますが、本当にそれほどいいサービスでした。
利用を考えている人へ一言
退職代行は想像していたよりもはるかにまともで良いサービスでした。
・心を病みかけている
・園長や主任が話が通じない
・いじめを受けている
・法に触れる運営をしている
こんな状況であれば「無責任かな」「非常識かな」などと思わずすぐに退職代行を使っていいと思います。普通じゃない人を相手に普通に話をしても疲弊するだけです。
しかし、もし普通に話が通じる相手で「退職の原因が自分にある」のなら、ぜひ勇気を持って自分で話して欲しいです。途中で逃げ出した過去はいつまでも付きまとってきて、きっと一生負い目を感じてしまうと思います。
退職代行の選び方
退職代行は運営元によって代行できる範囲や対応できることに違いがあります。退職代行の運営元は大きく分けて「一般法人」「労働組合」「弁護士法人」の3つがあります。
これをしっかり見分けて利用することが大切だと思います。
① 弁護士法人
弁護士事務所が運営している退職代行です。何かあれば弁護士が対応に当たってくれるので、職場から訴えられたりした時には心強い味方となります。また、職場でトラブルがあったり、損害賠償請求・慰謝料請求をしたいと考えている人の利用におすすめです。
心強いですが、やはり弁護士さんが対応に当たってくれる分費用が高くなることが多いようです。特別なトラブルがない場合は次に紹介する「労働組合」が運営している退職代行で問題ないと思います。
② 労働組合
私が利用した【TORIKESHI(トリケシ)】も労働組合が運営する退職代行です。
労働組合というと大きな会社にあってそこの従業員が加入できる団体というイメージの人も多いと思います。しかし、労働組合とは「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」のことで、個人で労働組合に加入することも可能です。
労働組合が運営する退職代行の最大の強みは「交渉権」が認められていることです。退職代行を利用しようと思う人は「退職が言い出せない、認めてもらえないから代わりに交渉して欲しい」はずです。
それが出来るのが労働組合です。有給休暇を消化したい、未払いの残業代をきちんと払って欲しいといった交渉ができます。
この後詳しくご紹介しますが、一般法人が運営する退職代行ではこの交渉が禁止されているんです。
③ 一般法人
特別な権限や資格がない普通の法人が「一般法人」です。一般法人が運営している退職代行が出来ることは「退職の意思を伝える」ことと「連絡のやり取り」のみで交渉は一切出来ません。有休消化などの交渉も「非弁行為」と言って法律に触れるので依頼することは不可です。
「特に問題なく辞められるが、ただやりとりをしたくない」「退職を言い出す勇気がない」と言う人であれば一般法人が運営している退職代行でも問題ない場合もあります。
特別な権限がなく出来ることが限られていますが、その分費用が低く設定されている場合があります。しかし途中で問題が起こると最後まで対応してもらえない場合もあります。
このようにどこが運営しているかによって出来る範囲が異なります。「高い方が安心」「安い方がいい」と費用だけで判断せず、自分の退職に生じるであろう事態を考えてみて、それに対応出来る退職代行を選ぶことが大切です。
退職代行TORIKESHIよくある質問(抜粋)
Q. 正社員 / アルバイトですがどうすれば良いですか?
無期雇用の方(正社員/パート等)であれば、民法上でも退職を申告・退職届提出後2週間で退職が可能となります。また、会社が認めれば2週間の猶予なく、その日でも退職は可能です。
Q. 勤務先から連絡が来たらどうしたら良い?
TORIKESHIでは会社にご連絡する際に、今後お客さまには連絡しないように伝えます。多くの会社はそのように対応していただけます。 ただし、強制力がない為、会社が勝手に連絡されてしまうことがございます。その際は無視していただいて問題ございません。TORIKESHIが対応いたします。
Q. 有給消化は可能?
はい。可能でございます。有給休暇の取得は労働基準法で規定された労働者の権利です。ご本人様が有給取得を望んだ際、会社がそれを拒むのは違法でございます。
Q. 本当に退職できる?
はい。退職は労働者の権利でございます。労働者には退職の自由が法律で守られていますので必ず退職できます。
Q. 会社から借りているものはどうすればいい?
会社との直接のやりとりなく、郵送でご対応頂きます。また、現在退職代行を検討している方は、出勤最終日に貸与物などはロッカーやデスクなどに全ておいて置かれる事をお勧めいたします。特に、セキュリティなどに関わるカードや鍵については、郵送事故があるといけないため、事前に置いて置かれる事をおすすめいたします。
TORIKESHIのLINE相談は自動回答ではなくオペレータと直接やりとりができるので気になることは聞いてみるといいですよ。
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