職員や保護者との人間関係が想像以上にめんどくさい保育士の仕事ですが、環境によってはノイローゼになりそう…というところまで追い詰められることがあります。
我慢したり解決するために頑張る人もいますが、私は辛い人間関係でノイローゼ寸前までいき退職した過去があります。
その時の経験をシェアしたいと思います。今悩んでいる人の参考になると嬉しいです。
保育士のめんどくさい人間関係
私が働いていたのは園児の数が100名程度の中規模保育園でした。まずここではじめから違和感がありしんどかったのが園長です。
園長は「本当に保育したことある…?」というような発言ばかりする人で、とにかく保育にお金をかけるのを嫌がっていました。
- 遠足は目の前の大きな公園
- イベントは最小限(お金はかけない)
- 折り紙は1日1人3枚まで
- 製作は廃材を使う。廃材以外を使う時は申請が必要
- 保護者への態度が悪い
- 子どもに愛情がない
こんな感じなので頻繁に保護者と対立するし、保育士からの不信感もすごかったです。言われることのほとんどが納得できず毎日ものすごいストレスでした。
園長だけならまだ良かったのですが、同族経営で夫が事務長、娘が主任という悪夢のような経営でした…
同族経営はヤバイ
家族揃って「金儲け!」「保護者は敵!」「職員は奴隷!」みたいな感じだったので、保育士や給食室の職員も皆常に不満を抱えていました。
同族経営で家族全員そんな感じなので、職員には相談できる相手もなく毎年半数以上の保育士が退職し、多い年は3分の2の園児が退園していくというヤバさでした。
ギスギスした保育士同士
常に理不尽な要求と窮屈な保育しかできず、園長一家から監視さえれているような環境では保育士同士もピリピリした関係でした。
特に新人は放置するのが当たり前という雰囲気があって、新しい保育士が入ってきても1年続く人はほとんどおらず常に職員が不足していました。
保護者からの苦情の多さ
イベントは最小限しか行わないしとにかくお金をかけない。保護者には意見を言わせない高圧的な態度。懇談も参観もなく保育風景を写真撮影することもない。それでも保育園激戦区なので簡単に転園は出来ず常に保護者からの苦情で溢れていました。
園長や主任から「保護者に言っておいて」と言われることが多かったのですが、保育士自身納得できない内容のことが多く保護者に伝えること自体ストレスでした。そして保護者ももちろん納得できません。
- 保育園の登園は10時まで(それ以降は欠席)
- 欠席する時は他の兄弟もすべて欠席しないければいけない(病児保育に入れる時も)
- 37度を超えているとプールに入れない(計り直しなし)
- 公園に行っても遊具の使用禁止 など
園児の不安定さ
子どもに寄り添ったり子どもの幸せを考えることより、とにかく「お金をかけず問題を起こさない」ことが最優先だったのでブロックを出したとしても「1人4つ」という謎のルールを押し付けられ、子どもはそれぞれたった4つのブロックを持って遊びます。
園庭にも遊具は少ないし、体力づくりのための園庭ジョギング(毎朝5分走ったり歩いたり)は喋りかけ禁止。黙々とジョギングをこなします。
ニコリとも笑わない園長や主任に監視され、保育士も子どもに寄り添ったり甘やかしたりすること出来ず、園生活に慣れるまで時間がかかる園児がとても多かったです。
ノイローゼ寸前で退職
いち保育士にどうにかできるような問題ではなく、とにかく気持ちを押し殺して問題を起こさないようにもめないように過ごしていました。
しかし心身に色々な症状が現れました。
- 食欲がわかない
- 子どもの前で笑えない
- 職場で話しかけられると動悸がする
- 眠れない
- 子どもの泣き声に耳を塞いでしまう
- 誰とも喋りたくない
- 子どもにきつくあたってしまう
- 急に涙が出てくる など
この時初めて「私ノイローゼなんじゃ・・・?」と思い始めました。
頭が正常に働いておらず「辞めたい」ではなく「逃げたい」としか思えませんでした。当時実家暮らしだったのですが私のあまりの様子に母が「あなたおかしいよ。普通じゃない。それで保育をするのは子ども達のためによくない。」と言ってきたことで自分がおかしいと気づきました。
退職理由
園長と主任の圧倒的な権力に常にビクビクしていた私には、続けるよりも「退職したい」ということの方が難しかったです。その為退職したいと思ってから3ヶ月の間何もできずにいました。
ついに見かねた母に心療内科に連れて行かれ、診断書をもらいました。診断名は「うつ病」でした。
事情を話したら診断書に「仕事を続けることは困難。休養が必要。」という内容のことを書き添えてくれて、この診断書を提出することですんなりと退職できました。
保育士はノイローゼになりやすい
私が「ノイローゼかも…」と思っていた頃、同じ職場で同じことを言っていた保育士が数名いました。今振り返ると他にも私と同じような状態だった保育士が何人かいました。保育専門学校時代の友人も同じような体験をした人がたくさんいました。
- 責任が重い
- 重労働
- 長時間労働(残業・持ち帰り)
- 人間関係が複雑(職員・園児・保護者)
- 女性の職場
- 見返りが少ない
- 求められるものが多い
保育士は保育以外にも気を使うことが多く、メンタルを壊しやすいんですよね…
持ち帰りの仕事が多くてオンオフの切り替えがしにくいのもストレスの原因です。
保育士のノイローゼを防ぐには
保育士は心身ともに調子を壊しやすい職種のひとつです。特に一年目や転職後すぐは保育だけでなく慣れない環境や人間関係の構築に疲れてしまうことが多くあります。
人間関係の面倒を排除する
保育で悩むのは保育士として当然のことです。ある意味悩むのは保育に関することだけにしたいところでもあります。
でもストレスの大半は保育以外のことだったりするんですよね…
保育士がノイローゼを回避するには、まずは人間関係の面倒を排除することです。
- 噂話に首を突っ込まない
- 言われたことはきちんとこなす
- 強い心を持つ
など自分の意識をきちんと持つことである程度面倒な人間関係を避けることができます。しかし、個人の努力ではどうにもならないほど人間関係がギスギスした職場があるのも事実です。
そう言った職場では耐えるしかありません。「いつか辞める」と自分に言い聞かせながら…
ストレスなく働ける職場もある
保育士や看護師など女性が多い職場ではある程度人間関係の問題は仕方がないと思っている人も多いと思いますが、そんなことはありません。
経営者や園長先生が素敵な人で保育士への待遇も良いところだと、職員みんなが仲良く穏やかに働いているところが多いんです♪
合う合わないもありますが、人間関係の良い職場の中から自分の保育観や性格に合うところを探せばストレスは激減しますし、保育の悩みも相談に乗ってくれるような先輩がいればストレスどころか心強いですよね。
転職サイトの活用
私がノイローゼのような状態になり退職した後、保育士の仕事を続けたかったので転職サイトを利用してみました。その時保育士人材バンクというサイトを利用したのですが、前の保育園のことを話すといろいろ調べてくれて家族経営であることも知っていたし、退職者が多いことも把握していて驚きました。
園長先生や採用担当者のことも知っていて、この人の言うことなら信用できるなと思ったのを覚えています。
待遇面の希望や自分の性格を伝えれば合いそうな求人をピックアップして紹介してくれます。その中に気になるものがあれば詳細を聞いたり見学を申し込むこともできます。
人間関係など文字では分かりづらいことは転職サイトの活用が有効です。
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