最近では保育士が別の保育施設に転職する場合在職証明の提出を求められることがほとんどです。数年前まではこれはほんの一部の施設だけだったのですが、どうしてでしょうか。
また在職証明の提出を求められたけど前の園に連絡したくない場合や、すでに閉園してしまっている場合などの対処法もご紹介したいと思います。
保育士の転職に在職証明は必須?
保育士に限らず転職の際、過去の勤務先の在職証明の提出を求められることがあります。これは経歴詐称を防止する目的であったり、勤務先独自のルールであることがほとんどです。
しかし、2022年以降の保育施設への転職の場合ほぼ必ずとっていいほど在職証明の提出が求められています。これは「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」いわゆる「保育士の処遇改善手当て」の申請で転職者の在職証明の提出が必要だからです。
この処遇改善手当ては国から支給されます。申請は保育士施設から行われ、補助金も保育施設に支払われます。保育士の給与へ反映することが基本ですが、使用用途は保育施設に決定権があるため全額が保育士に支払われるとは限りません。
この補助金の金額は、勤務している保育士の過去の保育経験年数なども考慮されるため、申請には在職証明が必要となっています。
在職証明のもらい方
在職証明書を取得する手順は、一般的に以下の通りです。ただし、各企業や組織によって異なる場合がありますので、具体的な手続きは所属している会社や機関の規定に従ってください。
1.直接上司や人事部への依頼
まず、在職証明書が必要な旨を直接上司や人事部に伝え、依頼します。通常は書面での申請が必要となります。
2.申請書の提出
企業や機関によっては、在職証明書の発行にあたり、所定の申請書が必要な場合があります。この際、個人情報や証明が必要な内容を正確に明記して提出します。
3.待機
在職証明書の発行には一定の時間がかかることがあります。手続きには数日から数週間かかることが一般的です。
4.受け取り
発行が完了すると、通知を受けて発行された在職証明書を受け取りに行きます。受け取りに際しては、身分証明書が必要な場合があります。
5. 郵送の場合
企業によっては、在職証明書を郵送で送付してくれる場合もあります。この場合、正確な送付先や受取人の情報を提供することが必要です。
在職証明書は転職や賃貸契約、金融取引などで必要とされることがありますので、必要な際には早めに手続きを進めるようにしましょう。
前園に連絡したくない場合
転職活動中、退職先から在職証明書を取得することが難しい場合、転職エージェントや人材紹介会社を活用するのは一つの方法です。以下はその手順です。
1. 転職エージェントの選定:転職エージェントや人材紹介会社を選定します。信頼性の高いエージェントや企業を選ぶことが重要です。
2. 相談: エージェントに相談し、転職の意向や希望条件、スキルなどを伝えます。また、前職からの在職証明書が取得できない理由を説明します。
3. 紹介先企業への調整:エージェントがあなたの要望やスキルに合った企業を探し、面接のセッティングや選考プロセスへの案内を行います。
4. 在職証明書の代替手段の提案:エージェントは在職証明書が難しい場合、他の手段や代替となる資料を提案してくれることがあります。例えば、給与明細や雇用契約書、勤務実績などがその一例です。
5. 説明:エージェントを通じて企業に対して、在職証明書が難しい理由について説明を行います。信頼できるエージェントは企業との円滑なコミュニケーションをサポートしてくれるでしょう。
6.条件交渉:エージェントを通じて求人企業との条件交渉を行います。退職先からの在職証明書の代替手段が通用すれば、スムーズに進めることができます。
エージェントを活用することで、在職証明書の取得が難しい場合でも転職活動を進めることができます。
また、厚生年金や雇用保険などの代替え証明書で対応してくれる場合もあるので相談してみると良いでしょう。
転職前にできる対策
今から転職をしようとしている場合はぜひ先に対策をしておくことをお勧めします。
退職時に在職証明をもらっておく
基本的に在職証明に有効期限はありません。数年経ってからでも利用できるのですぐに働く予定がない人でも退職時には在職証明を必ずもらっておきましょう。コピーではなく原本の提出が求められることが多いので、できれば2部3部と複数もらっておくことをお勧めします。
退職代行を利用する
退職にも相当な気力退職が必要です。そんな中で在職証明が欲しいなんて言えない…という人は退職代行を利用するのも手です。
退職代行は必要な書類一式もらえるように手配してくれます。3万円程度で全て代行してくれるので、心身の負担軽減を考えるとそれほど高い額ではないかもしれません。
興味がある方はこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。
就業前に相談しておく
もし手元に在職証明がなく、元職場にどうしても連絡したくない時は面接の時点で相談しておくと良いでしょう。連絡したくない、しにくい理由を伝えれば園同士でやり取りをしてくれたり、時には代替え証明でよしとしてくれる場合もあります。
転職サイトに仲介してもらう
すでに退職してしまっていて、前園に連絡したくない人や在職証明をもらうのは難しいとわかっている人は、転職の際に転職サイトを利用するといいでしょう。
事前に事情を説明しておけば、在職証明がなくてもOKな園を探してくれたり、転職先に代わりに事情を説明してくれたりとフォローしてくれます。
転職サイトによってもフォローの度合いが違うので、この場合はしっかりフォローしてくれる転職サイトを選ぶと良いでしょう。転職サイトについてはこちらの記事で口コミをチェックすることができます。
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