保育士の転職は怖い！転職失敗者が語る体験談

私は新卒で保育園に就職しましたが、2年働き色々なことが限界で退職を決め新たな保育園への転職を決めました。

結論から言うとその転職は大失敗で経済的にも精神的にも大ダメージを受けてしまい「保育士の転職って怖いなぁ」と思うようになってしまいました。

自己紹介

私は現在保育士５年目の2６歳です。ずっと実家暮らしでまだ一人暮らしをしたことがありません。お金を貯めて一人暮らしをするのが今の目標です🎵

4年生大学の保育科を卒業後、実家近くの比較的大きな馴染みのある保育園に就職しました。保育士は小さな頃からの夢だったので就職はとても楽しみでした。

新卒からの４年間は人生でも一番辛い時期でしたが、今は毎日楽しく穏やかな生活を送っています。

転職について

私は現在までに2度の転職を経験していますが、ここでは1度目の転職についてお話しさせてください。

転職を決めた理由

新卒で就職し、1年目から４歳児クラスの1人担任となり想像を絶する忙しさとプレッシャーでした。いつかは慣れる、今が頑張り時と踏ん張っていましたが2年目になっても解決しない問題が多く2年で退職することになりました。その時に退職を決めた理由はこんな感じでした。

サービス残業

1年目は上がりたくても上がれない雰囲気があり、いつも1時間近くはサービス残業をしていました。また、早番で16時上がりなのに17時から会議ということも多く、そういった場合にも残業手当がつくことはありませんでした。

持ち帰り仕事

お帳面や児童票など持ち帰れない書き物を園で済ませるのが精一杯で、基本的に切り貼りなど持って帰れる仕事は全て持ち帰りでした。週案などももちろん持ち帰ってこなしていました。

そのため帰ってからも仕事、休みの日も仕事。時には家族にも手伝ってもらってやとこなせるほどでした。

お金に余裕のない生活

これだけ働いているにも関わらずお給料は手取りで16万程度。2年目でもボーナスは年に25万程度でした。会社勤めをしている同世代の友達がボーナスで海外へ行ったりブランド物を買っているのを見ると別世界の話のようでした。余裕のなさはお金面だけでなく、有給を自由に取るなんてことは許されず、いつ残業になるかもわからないので平日の夜に予定を入れることも困難でした。

人間関係

と、ここまで色々な退職理由を並べてきましたが決定打はなんといっても人間関係です。

比較的大きな園だったこともありいわゆる「派閥」のようなものが存在しました。私はその派閥の中でも一番厄介なグループに気に入られてしまい他のグループの人からは冷たくされていました。

会話の基本が誰かの悪口で、言わなければ良いのについつられて悪口を言ってしまい後からそんな自分に自己嫌悪…。保護者の前ではニコニコ笑っているけど裏では常に足のひっぱあり合いけなし合の毎日でした。

退職を決意

退職を伝える

毎日出勤が憂鬱になり歪んでいく自分の性格に危機感を覚え退職を決意したのですが、いざ退職に向けて行動を起こそうとするとそれはそれは大変な勇気が必要でした。

常に保育士不足でみんな仕事をたんまり抱えているのに、３年目になってやっと独り立ちできるかという保育士が「退職したい」だなんてすんなり受け入れてもらえるはずがありません。

まずは主任に言おうと決めましたが、主任と2人きりになれるチャンスがそもそもありません。そのチャンスを狙って２ヶ月が過ぎてしまいLINEで「お時間を頂きたいです」と送ると「退職とか言わないよね？」と即答で返ってきて本当に血の気が引いたのを今でも覚えています。

…が、お決まりの「もう少し考えてみて」「まだ２年でしょ？」と取り合ってもらえず振り絞ったはずの勇気は振り出しに戻ってしまいました。

退職決定

本当に胃の痛い毎日でしたが、来年も続けるという選択肢だけは絶対になくまた年度途中で辞めることもしたくなかったので「何をどう言われても今年度で辞める」と頑なに伝え続け、園側も来年度の採用を決定しないといけない時期に了承されました。でもここからまた試練の時になるとは…

退職日までは針のむしろ

退職が決まってからは主任も園長も驚くほど冷たい対応でした。また徐々に職員にも知らされていったようですが、直接そのことを言ってくる先生は1人もおらず来年や今後の話が出た時の気まずさは相当なものでした。まともに喋ってくれる先生はおらずただひたすら退職日をカウントダウンする日々でした。

転職活動の恐怖

やっと念願の退職が出来きストレスから解放されると思っていましたが、実際はそんな清々しいものではなくすぐに不安と恐怖が襲ってきました。

働くのが怖い

勤務期間中は思っていたよりもストレスがかかっていたようで、退職後は「働くのが怖い」と思うようになりました。またあんな現場に戻るのかと思うと恐怖しかなく勝手に涙まで出てくるように。

でも保育士以外の仕事をする自信もなくもうどうして良いか分からない状態でした。

失敗するのが怖い

それでも求人サイトをチェックしてなんとか良い職場を探そうとしていました。ハローワークにも行っていましたが、どこも給与が低く似たような条件ばかりで「ここなら！」と判断できるようなものはなく何を信じて良いか分からない状態でした。

わきあいあいって書いているけど本当かな…そんなの適当に書けるしな…。自由な雰囲気って書いているけどこれはフォローしてもらないって事なんじゃないの…？熱心ってことは業務量多いってこと…？

次はもう簡単に転職できない、もうあんな思いはしたくないという恐怖からなかなか前に進めない状態になってしまいました。

お金の不安

働くのが怖くても、無職の状態が続くことも大きなストレスでした。退職金はもちろんなかったですし、失業手当がもらえるのは３ヶ月後から。保育士をしていた間になんとか貯めた僅かな貯金を切り崩していく生活は不安と共になんとも虚しいものがありました。

まさかの転職失敗

退職から２ヶ月後ネットで見つけた求人に応募してすぐに採用され「入社時期応相談」となっていましたが、すぐに来て欲しいと言われ希望より早く勤務が始まることになりました。今考えるとこの時点から違和感があったなと思います。

結果的にこの転職も失敗してしまいさらに追い詰められることになったのですが、具体的にはこんな感じでした。

人間関係

アットホームで和気あいあいと書かれていましたが実際は家族経営の小規模保育園で、園長、事務長、主任全てを家族で担っていたので他の職員の意見は全く反映されず独裁的な異様な雰囲気でした。いい意味でも悪い意味でも派閥のような関係性も許されていなかったので皆表面上だけの付き合いで、いじめなどはありませんが冷たい関係性でした。

園長はとにかく独裁的だったので保護者からの不満や苦情も多かったですが、完全に無視。保護者と園の信頼関係が極端に低く和気あいあいとした雰囲気は全くありませんでした。子供達に対しても愛情はなくただ預かっている時間を怪我なくそれなりに過ごせればOKという感じでイベントはほとんどなく保護者懇談さえない異常な運営でした。

持ち帰り・残業禁止

持ち帰り仕事や残業は完全に禁止されていました。勤務時間が終わると「早く帰りなさい！何をしてるの！」と急かされます。そう言われても書き物や今後の保育の準備が保育時間中に終わるわけではありません。持ち帰りも残業も禁止しているのに保育はしっかりやれという矛盾の中で常に追い立てられていました。

前職のサービス残業や持ち帰りもしんどかったですが、バレないようにこっそり持ち帰ってやるというのも違う辛さがありました。不可能なことを要求され、持ち帰りがバレた時のことを考えると怖かったです。

もう転職できないという絶望

転職当初から不安な毎日で、数ヶ月経っても馴染むことも慣れることもなく前職の続きのようなしんどさと辛さがありました。でも１度転職してしまっているし、まだ転職して数ヶ月だし「もう転職できない」という思いが強くあり逃げ場がありませんでした。

とにかくここで頑張るしかないと必死にやっていましたが、だんだん笑えなくなり食欲も落ち、疲れ切っているのに眠れずぼーっとすることが増えてしまいました。

鬱に…

夜になると勝手に涙が出て止まらなくなったり食べ物から味が消えました。自分ではただ疲れているとしか思っていませんでしたが、家族から「おかしい。ふつうじゃない。」と言われ心療内科へ連れて行かれました。診断は「軽度の鬱」で投薬と通院が必要だと言われました。

・無理をしないこと
・身体を休めること
・心を休めること

これが大事だと言われましたが、働いている限りどれも到底不可能です。もう少し頑張れば慣れて楽になるかもしれないとその後半年働きましたが、ある日起き上がれなくなり自分の心から感情がふっと消えたのを感じました。鬱がひどくなった結果でした。

退職

家族からも医師からも仕事は辞めるべきだと言われ、診断書を提出し退職を申し出ましたが「疲れているだけ」「甘えているだけ」と言われ私には交渉する元気も気力もなくどうしていいか分からず完全に思考が停止していた状態でした。

費用は25,000円かかったそうですが、退職の話し合いから私物の返却まで全て代行してくれたそうで、両親は園と連絡を取り合ったことは一度もなくスムーズに退職まで進んだようです。

再度転職にチャレンジ

私は実家暮らしだったこともあり、両親には無理して働かなくていいと言ってもらえましたが「仕事をしていない自分」というのが肩にのしかかりどうしても心が休まることはありませんでした。

幸運なことに、仕事を辞めてから鬱の状態は日毎に良くなり友達に会えるまで回復した頃学生時代の友達とご飯に行く機会がありました。

彼女も保育士をしていて一緒に卒業しましたが新卒で入った保育園でずっと働き学年主任になっていました。

友達の紹介でプロの力を借りる

その友達は就活の時に転職サービスにいくつも登録していてすごい数の園に見学に行き、たくさんの面接を受けていました。見ているこちらが疲れるほどでした。

小さな違和感でも妥協せず完全に信頼できる園が見つかるまで就職先を決めなかった彼女を「理想が高い」と言う人も多かったですが卒業から数年経って同じところで働き続けているのは彼女を含めほんの数人なので彼女のやり方は正解だったのだと思います。

結果、今の職場と出会え働かせてもらっています。事前に聞いていたよりもさらにいい職場で、はじめからここで働いていたら心を壊すこともこんなに悩むこともなかったのかと思うと少し悔しく思いました。

自分で求人を探すのと何が違ったのはこんな感じです。

地域の情報がすごい

担当者さんは新しい保育園が出来るなどの情報はもちろん、付近の保育施設は全部知ってるんじゃないかと思うほど何でも知っていました。私が働いていた園についても、私の退職後にも退職者が後を経たないことや保護者から役所に相談が寄せられていることなども知っていて驚きました。

求人情報では基本的に良いことや当たり障りのないことしか書かれておらず、ハローワークのような公共の施設では「悪口」となるような事は言わないので実情が見えない傾向にあるようです。

私の性格や適性を判断

私は保育士の仕事は大変だと思っていましたが、担当の方と話しているうちに「保育が大変」なのではなく「事務仕事が苦手」と言うことが分かりました。

院内保育園

存在は知っていましたがなんとなく敬遠していました。しかし、院内保育園は子供は親の不規則な出勤に合わせて登園する為一斉行事が少ない。だから事前準備や計画を立てる負担も少ない。

またピアノ不要なところもありピアノ練習の負担も減る。事務作業や事前準備より日々の保育に集中しやすいとのことでした。

保育補助

「働く＝正社員＝担任」と思い込んでいた私には目から鱗の提案でした。合いそうな園の保育補助から始めてみて余裕が出てきたり大丈夫そうだと思ったら正社員登用してもらい担任を持つ。合わなかった時には職場を変えることもできるし、そのまま保育補助で居続けることも出来る。

見学

私は院内保育園に興味が湧いて紹介してもらうことになったのですが、面接だけでなく見学も同時に申し込んでくれました。園長先生の面接を受けその後見学をさせてもらえました。実際は見学と言うより部屋の中を案内してもらいながら雑談をしている感じでした。

働いている先生も普通に話しかけてくれて「〇〇ちゃんこんなこと出来るんだよね〜🎵先生（私）にも見せてあげて🎵」となんとも自然にその空間に入れてもらえたことに感動したのを今でも覚えています。

今の職場の良いところ

人間関係

ピリピリした感じが全くなく、本当にみんなの関係がフラットです。上下関係も派閥も全くなく、とにかく余計な気を使う必要が全くありません。

持ち帰りなし

持ち帰り仕事は本当に全くと言っていいほどありません。凝ったイベントや大掛かりな保育が少なく保育中にも時間の余裕があるので勤務時間内に出来ます。会議などでたまに残業がありますが、きちんとこちらの都合を確認してくれる上残業代もきちんと出ます。

有給休暇の消化

みんな普通に有給を消化します。今までの園は病気などの突発休に当てるか、夏季など「この期間にとってね」と言う感じだったのですが、ここではみんな自分の都合に合わせて自由に有給を使っています。

ボーナス

給与は前職とあまり変わりありませんが、ボーナスが３ヶ月分ありとてもありがたいです。普段は節約してなるべく生活レベルを変えず貯金するようにしていますが、ボーナスは自由に使っています。年に２回の大きな楽しみです。

借上げ社宅

借上げ社宅制度がありなんと無料で済むことができます。今は実家暮らしですが、ずっと一人暮らしをするのが夢だったので近いうちに一人暮らしを始める予定です！

立地

前職はどちらも自宅から自転車の距離でした。勤務時間が長いこともあり近場が良いと思っていたのですが、プライベートでも保護者や園長などに会うことが多く気が抜けない生活でした。退職後は本当に失敗だったと思いました。

この園は電車で５駅離れていて通勤時間は以前より15分ほど長くなりましたが、その分プライベートと完全に分けることができて快適です。

転職に失敗して学んだこと

二度職場職場選びに失敗して鬱にまでなってしまいましたが、それでも子供が好きで保育がしたかったので諦めずに二度目の転職をして本当に良かったと思います。

「人間関係は入ってみるまでわからない」と諦めないで、プロの力を借りたり自分で情報を収集したり、見学をさせてもらってしっかり自分の目で見極めてください。

同じ保育の仕事でも職場が違えば、大変さも人間関係も全然違ってきます。保育の仕事を嫌いになってしまう前に、楽しく働ける職場をぜひ探してみてください。応援しています！